4時

「おはよう、夕夜」
はっ、と目を覚ますと、隣に彼女が座っていた。そして、目の前にはご飯がずらりと並んでいる。

「おいしそうでしょ?」
「いや、まあ…」
「370円よ」
「へえ…」
「サラダは、この間付け忘れたのを付けてるの。揚げ餅は」
「バレない?」
「?うん、バレないんじゃない?分かんない。とりあえず」
( ´・ω・` )
「…?」
「むなしい、ってやったのよ」
「……」
「ウィズ楽しいわ」
「ご飯は?」
「……、トーナメント、ここまで毎回1位よ」
「………」
「生徒会長…」
「こら」
「こらじゃないでしょ」
「…、ごめん多分僕今ちょっと疲れてるんだと思う」
「うん」
「ご飯、食べないの?」
「食べるよ」
「うん」
「……ん?大丈夫?」
「……」
僕は答えられなかった。
彼女の気分の悪さが、僕までうつっていたからだ。気分が悪い。何か足りない
「……顔色わっる、大丈夫じゃないね。倫理が足りないんだね多分」
彼女はそう言うと、タイマーを見てあっと声を漏らした
「あー…ちょっと、きつ、あっ行ってくるわね!」
彼女はまだ出ていって
「ただいま!!!」
……18:54。
「荒野行動の仲間できたぁぁぁぁ♡」
なんと。
「お友達ができたの」
いいことだね。
「うん!!はー大学行きたい!友達ほしいっ」
友達が欲しいの?
「うん!遊び友達!」
もちよーび、という単語が流れた。
彼女の幸福度が上がったのが見えた。
…?
「あの頃が1番楽しかったの」
幸せそうに、彼女がそう言った。
もちもち、もちよーび、日曜日だけ
「日曜日だけ、ぎゅってしたり、ちゅーしてたの。…刺激が強くてね。すごくすごく、毎日が楽しくて。毎日が…本当に、彼のために生きていた。本当に。本当に楽しかったわ。すべてが私にとって新しくて。彼はいつも私だけを見ていた。どんどん、狂ったのは、どうしてなのかわからない。分からないけれど、真実は、あの頃の私は1番幸せだったということよ」
彼女が本当に嬉しそうにそんなことを語るから、僕は彼女を見ていられなくなった。
「私を見れないの?」
すぐにそんなことは、見破られるというのに。分かっていたのに。
「彼も私も、虚像が好きだったの。外見やリアルは、いらなくて…あの頃が、1番…いちばん、幸せだった。」
どこから、狂ったのか?